東日本大震災で、テレビやネットなどで、様々な企業・組織が義援金や寄付金を募っていいます。しかし、これらのお金がどのように流れ、使われるか、理解されている方は少ないのではないでしょうか。我々も疑問に思い、調べてみました。
■参考サイト
- 赤十字・共同募金「義援金」の使途、NPO/NGOへの寄付の使途 | GiveOne
- http://gamba-staff.seesaa.net/article/191712151.html
- どこに寄付をしたら、どこにお金が行くのか『It’s Real Intelligence! 7』
- http://irritantis.info/archives/652
義援金と支援金の違い
災害支援や復興に使われるお金は、大きく、「義援金(義捐金)」と「支援金(活動資金)」に分けられます。
寄付金や募金は、どちらに該当するかは寄付先によります。確認されるとよいでしょう。
一言でいえば、被災者にお金で渡るのが義援金、支援活動/復興活動に使われるのが支援金です。
義援金(義捐金)とは
- 義援金は、最終的に被災者に直接、お金として配分されます。
- 配分額(誰にいくら)は、自治体や日本赤十字社などが構成メンバーの「義援金分配委員会」で決められます。
- 基本的に、集められた全額が分配に回されます。(※1)
- 配分に公平を期すため、時間が掛かります。中越沖地震で2年、阪神淡路大震災で半年後。(※2)
(一時金が早期に分配されることもあります) - 「直接分配」されるため、復興支援(インフラ整備、NPOへの支払いなど)には使われません。
- 日本赤十字社や共同募金、自治体などが窓口です。
- 企業(サイトなど含む)への募金は、集めた後、大半は日本赤十字社へ義援金として渡っています。
- ※1:
- 企業が募っている募金の場合、プロセスフィーを取られるかは企業に確認してください。
日本赤十字社に渡った義援金は全額、分配に回されます。 - ※2:
- 2007年7月に発生した新潟県中越沖地震の義捐金は、第一次、第二次配分(全体受け入れ額の86%)を2009年9月に、第三次配分(残り14%)を2010年11月に終了しています。(新潟県中越沖地震義援金第1次配分計画について)
■参考サイト
- 新潟県中越沖地震 義援金受入・配分の流れ
- http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/nagare,0.pdf
支援金(活動資金)とは
- NGO/NPOなどへ支払われ、緊急支援、復興支援などの支援活動に使われます。
- 寄付されたお金はNGO/NPOの管理費にも使われることが多いです。(※3)
- 実際に支援活動している団体なので、迅速に活動資金として使われます。
- 今回の震災でお金が余った場合、他国の支援などに使われることもあるようです。(※4)
- ※3:
- アメリカの研究によると、管理費は約20%と言われているようです。
ファンドレイジングのコスト(http://dojo.livedoor.biz/archives/51318062.html) - ※4:
- NGO/NPOによります。
では次に、支援金で登場するNGO/NPOについて考えてみましょう。
NGO/NPOについて
まず、NGOとNPOの違い。それぞれ「NPO:Non Profit Organization=非営利組織」「NGP:Non Governmental Organization=非政府組織」の意味ですが、あまり違いは気にしないでいいと思います。このサイトではNPOに極力統一します。
NGOとNPOの違い? | 国際協力NGOセンター(JANIC)事務局長ブログ
NPOは、大きく分けて、現地支援NPOと中間NPOに分けることができます。
現地支援NPO
緊急支援活動など、実際に現地で活動されているNPOです。現在の緊急支援以降でも、医療や教育など、復興フェーズにおいても重要な役割を担っていきます。また、医療に強い、教育に強いなど、NPOによって特徴もあります。
中間NPO
中間NPOは、現地で活動するのではなく、資金拠出元と現地支援NPOの橋渡しを担います。企業や個人などから集めた資金を、選定した現地支援NPOへ適切に拠出します。
各企業が集めている(皆様が払っている)寄付金によっては、中間NPOに行く場合もあるようです(NTTDocomo、イオンなど)。 また、中間NPOへ寄付する際に「この現地支援NPOに渡してくれ」と指定できる場合もあるようです。
中間NPOを通せば、一般にはプロセスフィーが掛かるので、実際に支援に使われる額としては減ると思われます。
しかし一方で、現地支援に全力を注いでいる現地支援NPOの事務負荷(税金控除の書類の準備など)を軽減したり、特定NPOに資金が集中しないよう最適分配を行うなど、メリットも多くあります。
企業が行っている寄付金活動について
では、テレビやネットで行われている寄付金活動は何なのでしょうか?
各企業は、その知名度、情報発信力を活かして、幅広く皆様からの寄付金を募っています。これら寄付金の用途が企業によりますが、義援金として日本赤十字社にいくことが非常に多いです。
各企業の努力によって、非常に多くのお金が今回の震災でも集まっており、その貢献度は非常に高いと思います。
一方で、寄付する意思があり、寄付先の選定にも興味がある方であれば、わざわざ企業に寄付する必要もないとも言えます。直接寄付をした方が、各所の時間も手間もかからないはずですから。
ただ、企業が協力することで、現金の支出を伴わない寄付が可能になるものがあります。
それはポイントやマイレージなどによる寄付です。寄付されたマイレージやポイントに応じて企業が相当額を負担し、義援金や支援金として拠出されます。
現金支出を伴わない寄付ですからより手軽にできますし、幅広く寄付金が集まる可能性は高いでしょう。
自治体への義援金・寄付金について
都道府県や市区町村にも、義援金や寄付金の窓口があります。これらについて説明します。
まず、各自治体とも、義援金と寄付金とで窓口を分けています。自治体の場合、寄付金=支援金として考えてよいです。
すなわち、各自治体へ義援金を送れば、被災者にお金として分配され、寄付金として送れば、災害復旧等対策の財源となります。
そう考えると、被災地への一番ダイレクトな支援と呼べるかもしれません。
支援金については、自治体への資金はインフラや住居の再建などに多く使われ、NGO/NPOへの資金は、短期には必要物資の調達分配など、中長期的には地域の人々が個々の生活の再建や地域の再活性化へ向けたボランティアの派遣などに使われているようです。


